この記事は、私が中絶をした時の話。
中絶をすること自体、とてもつらい決断だった。
私が今も忘れられないのは中絶そのものだけではない。
病院で受けた対応もまた、私の心に深く残っている。
これはあくまで私個人の体験。
同じような経験をした方や、これから中絶を考えている方の参考になればと思って書く。
中絶を決めるまで
妊娠がわかった時、すごく複雑な気持ちだった。
産みたい気持ち、今の環境や状況。
それにそもそも持病があるから無理だ…
最終的に中絶を選んだけど、それが「正しい選択だった」とは言い切れない。
言葉にできないほどの罪悪感がある。
ただ、精一杯の判断だったとは思っている。
中絶方法は人工中絶薬のメフィーゴパック
これは自分で選んだのではなく、持病で麻酔が使えない私の体にはメフィーゴパックが適していると判断されたから。
麻酔を使うことなく、飲み薬で流産に近い形で終わると説明を受けた。
メフィーゴパックでの中絶の詳しい話はココ👇

麻酔なしでの手術
2剤目を飲んでから約2時間後。
何の説明もなく言われるままに手術台に上がって、大の字のように固定された。
見たこともない変な鉄の棒に脚を紐で結び付けられて、脚の骨に当たって痛い。
左腕には血圧計、右腕にはパルスオキシメーター。
胸には心電図。
内診をして、少し残ってるからとのことで掻把処置を受けることになった。
「痛がらないでよ」と言われて、グリグリと掻き出す処置が始まった。
痛みよりもつらかったこと
麻酔なしで始まった手術。
痛くて体に力が入る。
こうなれば当然心拍数も血圧も上がっていく。
そんな私に医師は薄ら笑いながら周りの看護師さん達に言った。
「ほら見てごらんなさい。こんなに血圧が上がっちゃう人がいるんだよ。なかなか見ることないでしょ」と。
麻酔なしで手術を受けている私はその場の見せ物のようだった。
その医師にどんな意図があったのかはわからないけど、私はそう感じた。
この感情をどんな言葉で表現したらいいかわからないけど、とにかくその時は心がズタズタに切り裂かれて、生きていたくないと思った。
見せしめなのか
何度も何度も器具でかき回されること10分。
胎嚢はすでに出てるはずなのになんでこんなに時間がかかるの?と思っていた。
私は過去にも中絶経験があった。
それは私の体の状態が良くなかったため、医師からも諦める方向の方が良いと言われてのことだった。
その時はまだ、私の体は麻酔を使えないということがわからないときだった。
麻酔を入れた瞬間血圧心拍数が急上昇したため、麻酔の投与を止めて、麻酔が効いてない状態で手早く手術が行われた。
それは1分かかったかわからないくらいすぐに終わった。
だからこそ今回の処置時間の長さに疑問を感じてた。
「私に対する罰なんだろうな」
「痛めつけてやろうと責められてるんだろうな」
痛みをこらえる中でそんなふうに感じたりした。
術後の私
処置が終わり、ベッドに戻って水分の点滴を受けた。
一刻も早くここを出たいという思いでいっぱいだった。
中絶を選んだことだけでも十分つらいと感じていたのに、処置中の医師の薄ら笑う顔と声が焼き付いて離れない。
看護師さんから休んでいくように言われたけど、点滴が終わったらすぐに帰る支度をした。
病院のお昼休みの時間に入っていて精算ができないから後日来るように言われたけど、もうここには来られる気がしなかった。
近付きたくないし、病院の名前も見聞きしたくなかった。
精算はパートナーに行ってもらった。
術後の診察に行くこともできなかった。
今も続いていること
あの日から数日は心が沈み切っていた。
痛みを思い出すのが怖いのではなく、あの対応の光景が離れなくて苦しかった。
眠れない日々が3か月たった今も続いてる。
ふとした瞬間に記憶が戻ってくる。
誰かに批判されたとき、嫌な対応をされたとき、それが引き金になる。
家族や人前では平気なフリ、何事もないフリをして、一人になると崩れることもある。
これってトラウマなのかもしれないと最近少し思うようになった。
同じように中絶で傷付いた人へ
妊娠しても中絶すればいいと簡単に考えてる女性は少ないと思う。
中絶を決断するまでのことをわざわざ病院で話したりすることもないし、その必要もない。
どんな決断をしたとしても、病院の医師達から尊厳を傷つけられるような対応をされてもいい理由はない。
あなたが「そんな扱いを受けても当然だった」なんてことは絶対にない。
つらい記憶が残ってしまっていても、眠れない夜があっても、それはあなたが弱いからじゃない。
それだけのことがあったということ。
1人で抱えてつらかったりしたら、コメント欄であなたの体験も教えてください。
「避妊しろ」という声に対して
そういう声があることは知ってる。
でも少しだけ聞いて欲しい。
コンドームを正しく使っていたつもりでも数%の確率で失敗することがある。
ピルだって、うっかり飲み忘れてしまうことがある。
避妊は「する、しない」の2択じゃなくて現実はもっと複雑だったりもする。
避妊してもらいたくてもしてもらえない関係があったり、行為自体を断れない状況があったり。
産みたくても、まさか自分の体が…といったことに直面させられたり、将来を誓った相手に裏切られたり、周囲から反対されたり。
中絶に至るまでの事情は、外から見えないところにある。
それを知らずに「自業自得」だと言えたり、批判できるのは、想像力が足りないのだと私は思う。

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